こんにちは、「相続コンサルタントしゅくわ事務所」代表の宿輪です。
弊所は、開業以来相続専門の事務所としてたくさんの相談者の方からお話を聞いてきました。相続は、すべての人が当事者となる法律行為ですが、その内容を知る人は少ないのが現実です。知らないがゆえに、相続時にトラブルとなり、最悪の場合は親族間に遺恨を残す「争族」となってしまいます。
少しの知識があれば、トラブル発生となる前に対策が可能となります。「相続ワンポイント」では、皆さんに知っていただきたい相続の知識をランダムに解説しています。100を超えるタイトルがありますので、ぜひお役に立ててください。
弊所では、民事信託(家族信託)も積極的に取り扱っています。遺言などこれまでの民法では解決できなかった問題がクリアにできます。☞に小冊子ダウンロード版を用意していますのでご利用ください。
弊所の活動内容を、スライドを使って説明してみました。☞のユーチューブ動画も見ていただけると嬉しいです。
では、ワンポイントをどうぞ!
相続放棄20万件
全国の家庭裁判所に2016年に申し立てられた家事事件の件数が、102万2859件となり、初めて100万件を超えました。
その中で一番多いのは「相続放棄」の審判で、19万7656件となっています。
相続放棄は、相続から3ヶ月という期限があり注意が必要な手続きですが、実際の手続きとはどのようなものでしょうか?
家事事件とは
家庭内の紛争などを解決する裁判所の手続きで、原則非公開となっています。当事者の資料などから裁判官が判断を示す「審判」、裁判官と民間人の調停委員が合意を仲介する「調停」のほか、公開の法廷で審理する「人事訴訟」などがあります。
高齢化や小家族化に加え、離婚した夫婦間の子供をえぐる争いの増加などを背景に家事事件は増え続けています。
ちなみに、結婚の減少に伴い、離婚など婚姻関係を巡る調停は減少傾向にあります。
相続放棄
相続が発生すると、プラスの財産もマイナスの財産(借金など)もすべて引き継がれます。特にマイナスの財産は、債権者との関係では法定相続分で相続されることになるため、相続人間で取り決めをしても効果はありません。マイナスの財産を相続したくないのであれば、相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に「相続放棄」をしなくてはなりません。相続放棄をすると、プラス財産、マイナス財産を問わず被相続人の権利義務を一切承継しないことになります。(借金だけ相続放棄なんて都合よくはできません)
相続放棄の効果
相続放棄は、家庭裁判所に対する申述という方法によります。そして、家庭裁判所の受理審判によってその効果を生じます。
相続放棄がなされると、その者は、その相続に関し最初から相続人にならなかったとみなされます。従って
代襲相続は生じません。先順位の相続人全員が放棄すれば、後順位の者が相続人になります。
手続きの期限
自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内にしなくてはなりません。何もせずこの期間を過ぎれば、すべての財産を相続する「単純承認」をしたものとなります。このため、相続が開始したら相続の意思を確定するためなるべく早く、相続人の確定、財産調査をする必要があります。
しかし、相続開始時に相続人が被相続人の財産の有無を知ることが困難であり、相続すべき財産がないと信じて、相続放棄の手続きをしなかったところ、3カ月以上経過してから相続債務(マイナス財産)の存在を知る場合があります。(3ヶ月以上経過してから、債権者から請求が来たような場合)
このような場合は、初めて相続債務の存在をした時が相続の開始があったことを知ったときになるとされ、その時点から3ヶ月の期間がスタートします。
ただし、被相続人の死亡後3ヶ月を過ぎた申述については、家事裁判官により審問が行われることもあります。相続放棄は、被相続人の死亡後3か月以内にするのが確実です。
相続放棄の申述書には、相続の開始を知った日を記入します。
1.被相続人死亡の当日
2.死亡の通知を受けた日
3.先順位の相続放棄を知った日
4.その他( )
1.~3.の理由の場合は、〇するだけですが、
4.その他の場合は、内容を記入する必要があります。通常( )内に記入するのは難しいので、別紙添付として、「続開始時に相続人が被相続人の財産の有無を知ることが困難であり、相続すべき財産がないと信じて、相続放棄の手続きをしなかったところ、3カ月以上経過してから相続債務の存在を知った」その経緯を詳細に説明します。
やはり、相続が開始したら3か月以内に相続の意思確定できるよう、財産調査を確実に実施することが大切です。遺族は、様々な手続きで多忙ですから、当事者で難しい場合は、相続を専門とする行政書士に依頼することをお勧めします。
相続手続きサポート承ります、詳しくは、相続手続きサポートの頁をご覧ください。
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